マーケティング脳 vs マネジメント脳 なぜ現場と経営層では話がかみ合わないのか?
2009年 09月 09日
「マーケティング脳というのは、視覚的なイメージで物事を捉える右脳的思考」
「マネージメント脳というのは、言語的に秩序だって物事を捉える左脳的思考」
近年、今までのマスメディアを中心とした広告がどんどん崩壊し始め、ROIといったマネージメント指標に直結するインターネット広告やSEMにシフトしていると言われている。
今、TV広告や新聞広告に投げかけられている言葉というのは、
・誰が見ているのかわからない。
・料金が適性なのかがわからない。
・投資対効果がわからない。
などなど、疑問だらけだ。
一方で、バナー広告やネットワーク広告、リスティングでは、。広告の表示回数やクリック数、はたまた、購入に至までのページ遷移などユーザー動向が数字でレポーティングされるのであるが、はたしてそういった数字だけを見ていてよいのだろうか? その数字をみて「マーケティング戦略」を検討し、施策の修正をして良いのだろうか?
ネット広告からもたらされる各種多様なデータというのは、非常にROI的であってマネージメント脳が好むデータである。 ゆえに、ROI的なデータをフル活用すると、関係各所には説明しやすいし合理的に見えるし、一見合理的で絶対に失敗しそうもない企画や戦略がおそらくできあがる気がしてやしないか。
でも、その合理的な左脳型の理屈や常識で判断をした戦略のみで突っ走ってしまうと、ここに書かれているような失敗への道へとまっしぐらに進んでいく事になりかねないんじゃないか。 広告戦略、マーケティング戦略である以上、マネージメント脳的な発想だけではなく、マーケターとしてロジカルでなくても視覚的・全体的・直感的思考を忘れてはいけないんじゃないだろうか。
そんな事を考えながら一気に読み終えてしまった。
同時に、"第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい "にもあった、「情報を集める事に集中しすぎると情報におぼれる」といったポイントにも通じる事があるように思えた。
ただ、非常にユニークな本なのであるが、「マーケター脳の考えた戦略がマネジメント脳によってぽしゃって、結局失敗した」と言う事例ばかりが多く、逆の「マネージメント脳が止めようと思ったのにマーケター脳が暴走して、結局失敗した」という事例がないのは残念。
きっと、マーケターが書いている本だからそうなのだろうけど、同じ数だけあるんだと思う。
マーケティング脳 vs マネジメント脳 なぜ現場と経営層では話がかみ合わないのか?
黒輪 篤嗣
翔泳社 2009-07-16
売り上げランキング : 1445
おすすめ平均
Amazonで詳しく見る by G-Tools
同一著者の前作。
ブランドは広告でつくれない 広告vsPR
翔泳社 2003-02-13
売り上げランキング : 27121
おすすめ平均
Amazonで詳しく見る by G-Tools
一昔前は、広告会社が「ブランドエージェンシー」を標榜していて、ブランド開発、ブランド管理などを積極的にビジネスのキーワードとして前面に押し出していた。
このタイトルは、それにブレーキをかける意味が当時はあったんだろうと思うけど、実は「広告」VS「PR」という対立軸ではなくて、本来の役割を無視して過度の期待を一つの施策に賭けてはいけないと言う事だ。
ブランドの創世記においては、商品その物、キーとなる顧客とのダイレクトコミュニケーション、PR、口コミ、と言ったものが重要であり、ブランドの興隆期や安定期においては、広告には「確認」「確信」「記憶」を維持させる役割がある。(もちろん、もっとあると思うんだけど・・・)
多数の繰り返される過ちの事例が、とても説得力のある形で繰り広げられている。
「マネージメント脳というのは、言語的に秩序だって物事を捉える左脳的思考」
近年、今までのマスメディアを中心とした広告がどんどん崩壊し始め、ROIといったマネージメント指標に直結するインターネット広告やSEMにシフトしていると言われている。
今、TV広告や新聞広告に投げかけられている言葉というのは、
・誰が見ているのかわからない。
・料金が適性なのかがわからない。
・投資対効果がわからない。
などなど、疑問だらけだ。
一方で、バナー広告やネットワーク広告、リスティングでは、。広告の表示回数やクリック数、はたまた、購入に至までのページ遷移などユーザー動向が数字でレポーティングされるのであるが、はたしてそういった数字だけを見ていてよいのだろうか? その数字をみて「マーケティング戦略」を検討し、施策の修正をして良いのだろうか?
ネット広告からもたらされる各種多様なデータというのは、非常にROI的であってマネージメント脳が好むデータである。 ゆえに、ROI的なデータをフル活用すると、関係各所には説明しやすいし合理的に見えるし、一見合理的で絶対に失敗しそうもない企画や戦略がおそらくできあがる気がしてやしないか。
でも、その合理的な左脳型の理屈や常識で判断をした戦略のみで突っ走ってしまうと、ここに書かれているような失敗への道へとまっしぐらに進んでいく事になりかねないんじゃないか。 広告戦略、マーケティング戦略である以上、マネージメント脳的な発想だけではなく、マーケターとしてロジカルでなくても視覚的・全体的・直感的思考を忘れてはいけないんじゃないだろうか。
そんな事を考えながら一気に読み終えてしまった。
同時に、"第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい "にもあった、「情報を集める事に集中しすぎると情報におぼれる」といったポイントにも通じる事があるように思えた。
ただ、非常にユニークな本なのであるが、「マーケター脳の考えた戦略がマネジメント脳によってぽしゃって、結局失敗した」と言う事例ばかりが多く、逆の「マネージメント脳が止めようと思ったのにマーケター脳が暴走して、結局失敗した」という事例がないのは残念。
きっと、マーケターが書いている本だからそうなのだろうけど、同じ数だけあるんだと思う。
マーケティング脳 vs マネジメント脳 なぜ現場と経営層では話がかみ合わないのか?
黒輪 篤嗣
翔泳社 2009-07-16
売り上げランキング : 1445
おすすめ平均
Amazonで詳しく見る by G-Tools
同一著者の前作。
ブランドは広告でつくれない 広告vsPR
翔泳社 2003-02-13
売り上げランキング : 27121
おすすめ平均
Amazonで詳しく見る by G-Tools
一昔前は、広告会社が「ブランドエージェンシー」を標榜していて、ブランド開発、ブランド管理などを積極的にビジネスのキーワードとして前面に押し出していた。
このタイトルは、それにブレーキをかける意味が当時はあったんだろうと思うけど、実は「広告」VS「PR」という対立軸ではなくて、本来の役割を無視して過度の期待を一つの施策に賭けてはいけないと言う事だ。
ブランドの創世記においては、商品その物、キーとなる顧客とのダイレクトコミュニケーション、PR、口コミ、と言ったものが重要であり、ブランドの興隆期や安定期においては、広告には「確認」「確信」「記憶」を維持させる役割がある。(もちろん、もっとあると思うんだけど・・・)
多数の繰り返される過ちの事例が、とても説得力のある形で繰り広げられている。
by osamu_tamura
| 2009-09-09 20:06
| ビジネス書-マーケティング